80.A JIS X5101 規格の背景
JIS X5101 は日本における DTE—DCE 間インタフェースの規格である.
X5101という番号は 1982 年に制定されたが,これは旧規格 JIS C6361 が JIS 規格体系の変更のために,内容はほぼそのままで新番号に割り振られたものである.
※ISO:International Organization for Standardization: 国際標準化機構
ISO 2110 は 25 ピンコネクタ形状を規定し,
ITU–T v.24 は各ピンに対する回路接続を,
ITU–T v.28 はその回路の電気特性つまり,付加インピーダンス,信号の有意レベル,信号特性などを定めている.
X5101 はこれらを一つの規格としてまとめたものである.
そしてこれは,EIA 232-D,一般には RS-232-C という規格にほぼ同一であり,世間一般ではこちらの方がよく知られている.
EIA は米国電子工業会という貿易通商団体であり,多くの技術委員会を持っている.
※EIA: Electronics Industry Association
その中で DTE-DCE 間インタフェースの標準開発を保守を行なっている TR30 技術委員会は1969年,当時の CCITT と ANSIと協力して開発したのが RS-232-C である.(後にEIA 232-Dに引き継がれる)
これがコンピュータ通信の国際的な標準インタフェースとなり,RS-232-C という名称もコンピュータ利用が広がると同時に定着した.
※ANSI: American National Standards Instuitute: 米国規格協会.日本の JIS に相当
以上.
2023/9/17